神楽坂風情の危機 地元住民「特例措置を」

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    亀井 天元
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    2007年(平成19年)5月8日の読売新聞夕刊に取り上げられた話題です。同新聞社らしい情緒深い記事で、路地の写真とともに、大きく取り上げられています。

    東京・神楽坂(新宿区)の通称「かくれんぼ横丁」の町並みが危機にひんしているということです。3月に横丁の中心部で火災があり、新たな建物を建てるには、建築基準法の規定で、路地の幅を広げなければならないため、壁面の連続性が途絶え、町並みの雰囲気、横丁らしさが失われてしまう。神楽坂3丁目自治会の小田桐信吉会長も「1メートルも拡幅すると、風情が損なわれてしまう。小型の消防車が入れる程度の道幅を確保した上で、もう少し拡張幅を狭めることはできないだろうか」と訴える。

    このあたりはかつての花柳界のにおいを色濃く残す地域で、現在も飲食店などが密集しており、使い込まれた石畳の細い路地空間のかいわい性と、隠れ家的な店の雰囲気が人気を呼んでいる。見番も有り、芸者新道も使われている

    新宿区都市計画部地区計画課では、かくれんぼ横丁を含む神楽坂三・四・五丁目地区の地区計画原案を策定(平成19年4月28日)し意見募集している。この案の中には2項道路の取り扱いについての特例措置は講じられていない。読売新聞で、自治会長が訴える内容からは、いささか歯がゆい内容と言える。地区計画によるまちづくり手法のみでなく、中央区月島地区の3項道路への指定換えのようなことが必要となるのかもしれない。今回の地区計画については、今後、土地の所有者及び利害関係者の意見を踏まえ案の修正を行うなどの後、8月上旬の都市計画審議会を経て都市計画決定となる予定とのことである。

    参考⇒http://ikimachi.net/

    一方、庶民的雰囲気でにぎわっている豊島区の「人生横丁」について、5月15日の朝日新聞東京版に紹介されている。こちらの路地については、道路の扱いがどうかについて触れられてはいない。しかしながら、古くから池袋商業協同組合などの管理により、道路位置指定(1項5号道路)となっている。 http://www.jinsei-yokocho.com/

    いずれにしても、こうした歴史的な飲食街の路地空間は、地域コミュ二ティーとユーザーの協働意識によりカオス的な街のパワーを持続している。密集住宅地の未整備2項道路が持つかいわい性と同様、行政関与にはデリケートな感性も要求されるところで、高層ビルや目新しい建物では簡単に生み出す事の出来ない、貴重な人間的な空間となっている。ばかばかしいのでほんとかどうか確認はしていませんが、自治体によっては、2項道路は、入り口と出口の中心を決めてあとは直線で結ぶというから驚きである。にわかに2項道路(私道)の位置に決着をつける事は、行政の独断となりかねない。

    ⇒2項道路の件  半世紀以上も前の実態を基準とするところの2項道路の件です。 我国では、基本的に土木の次に建築があります。この辺り、建築の隙間を縫うように通路や日だまりがある西洋の都市と異なるところです。そして西洋の建物は石造りですから道が狭くてもさほど危険ではありません。道路があって建築できる敷地があるといったことになっている筈の日本ですが、都市部の事情は少し違います。戦後のバラックの密集が、そのまま木造密集地となってしまったところが現在でも少なくありません。このような地域では、当然道が狭くなります。 このような狭い道の昭和25年の11月23日時点の、幅員1.8メートル以上の道の中心から2メートル振り分けたところを道路の境として道路幅員4メートルとしているのが、建築基準法の42条2項道路です。しかし、こんなに昔の中心を、一体誰が判断できるというのでしょうか。地主の代替わりがあれば益々不明です。もしかして以前建築した時に、既に道路部分提供済みかもしれないなど、建築を計画する時に、貴重な敷地の一部を道路に提供することで苦慮する建主がとても多く、向かい側のお宅などといさかいが発生する場合もあるのです。そもそも別々の敷地測量図をつき合わせてみたところで、手が違うのですから、境界線が一致する分けがないのです。 おまけに我国では、秀吉の検地以来、広域的な測量はなされていないのですから。そんなことで、結局住み続けるのがいやになり、どこかに越してしまう家もあります。民事訴訟で長引くもののトップランクに境界確定があるそうです。http://www10.ocn.ne.jp/~sugiyama/kouzu.html

    探す!わがまちの魅力 若手職員によるとしま区のススメ (単行本(ソフトカバー))
    http://www.next-city.com/main/modules/amaxoop2/article.php?lid=133

    建築訴訟の審理 (単行本)
    http://www.next-city.com/main/modules/amaxoop2/article.php?lid=20

    東京区部でも、狭隘道路の多い所では、未だにこの問題の根深さを抱えており、毎年膨大な費用(年間住民1人当り約4000円、道路整備費・職員人件費等)を投入し続けているのです。自治体の責任者の中にはそのうち整備されるので、「安いものだよ。」と言いのける人もいます。人口25万人だと10億円にもなる金を、毎年つぎ込んで、しかも本当にそのうち整備されるのでしょうか。 そして生活の道ともいえる2項道路に、すべての道幅4メートルが本当に必要なのでしょうか。個々の街区状況にあわせた道の状況があってしかるべきではないのでしょうか。路面の仕上げもいろいろあってよいでしょう。向こう三軒両隣で植え込みや植栽を大事にした道があってもよいではありませんか。何も街区の中に車を置かなくても、少し歩いたところの大通りの駐車施設におけばよいではありませんか。かいわいのような豊かさも、良好なコミュニティーが前提で、道路問題から近隣のコミュニティーを壊すような事にでもなれば、関係者の積年の努力も灰燼に帰することとなります。 ついでに述べると、先ほどの敷地測量の説明から、敷地面積をベースにした様々の建築確認の審査が、どの程度の精度のものか、説明するまでも無く理解出来たことと思います。設計者が出してくる敷地図が正しいものとした性善説で次々と審査しているのですから。面積がぎりぎりでもない限り、本当に細かい数字の違いなどはどうでもよいことなのです。 高層建築を横にした状態で、廊下が、2項道路と考えれば、狭い道も消火栓を設置するなどすれば、道路幅員4mを取らなくても良いのではないかとの考え方もあるようです。また街区のまとまりで、壁面線の指定をし、3項道路とするところもあるようです。他に考え様がないものでしょうか。未だに戦後を引きずっているのかもしれません。現在は、自治体によって、建物を新・増築する時に塀の撤去や、生垣の緑化に対して補助金を支払うとか、後退用地や隅切用地を自治体に寄付した場合、奨励金を支払う事などが実施されています。 特に川(暗渠)沿いや、線路敷地に接する敷地の接道の判定は難しい為、道空間の一帯性と敷地の接道適正化が図られていない所が多く、せっかく設けられた暗渠の緑地に接し、再建築不能地等が残り、環境悪化の要因を残す結果となっている所もある(未来都市フォーラム⇒東京の未来都市づくり⇒都市緑化事例についてなど 参照 http://www.next-city.com/main/modules/d3forum/index.php?topic_id=23 )。 いさなはこう考えています。通り抜けの場合は入り口から出口まで、行き止まりの場合は入り口から突き当りまでで、ひとつの街路空間と考え、一つ一つ設計すべきであると考えています。中心が不明のものを無理に決めることは誰にもできないからです。そして、実際に2項道路に立つと、4メートルの拡幅を強く感じるものと感じないものがあるからです。つまり地域のコミュ二ティーごとの特性が反映されるべきと感じるからです。自治体によっては中心鋲を打っていますが、これは極めて部分の道の設計をしたことと同じです。中心が合意を得られている場合はその位置(中心)を基準に道の設計をしてもよいと思います。せめて向こう三軒両隣の道の設計ができないものでしょうか。設計の仕様づくりと発注は、特定行政庁が行うべきと思います。もともと2項道路は特定行政庁が指定するものだからです。設計者は将来の街路像について、所有者、関係者の確約を取る(権利者が変わっても、確約は引き継がれる仕組みを用意する必要がある)ことまで済ませることとします。第一、前面道路の将来像がない(建築物の防火性能も担保されてきており、全て幅員4メートルは必要ない。)のに、敷地内に設計ができること自体変な話ではありませんか。自治体によっては、現況図がそろっていて、これが活用できます。設計料は、これまでの維持管理拡幅整備費で不要になる支出からまかないます。特に暗渠を含むような場合は、これまでの縦割り行政の取り組みでは根本的解決にはならないので、土木及び建築の総合的観点からの取りまとめが必要となるわけです。まちづくり支援建築会議などのような団体と自治体との協働も考えられます。 http://news-sv.aij.or.jp/shien/s1/
    もし、1950年からのこの建築基準法が健全に機能していれば、前面道路の幅員はすべて4メートル以上確保されていてしかるべきです。東京都では、1950年以前の住宅は約8万戸ですが、1998年幅員4メートル未満に建つ住宅は174万戸と、全体の3分の1とこんなことになっている今の状態は、私道に絡んだ国・都・区のあいまいな取扱いが大きく影響している。建築基準法の正常な運用、基準法上の道路の法整備、公共性の再認識、これらの実施が、これからの街づくりの基礎である。
    いずれにしても、登録建築家 http://www.jcarb.com/
    やまちづくり建築士の柔軟な設計力を活用し、さまざまな文化建築NPO http://www.next-city.com/main/modules/weblinks/singlelink.php?lid=32
    などとも協働し前向きに取り組むべきです。今のままでは混乱が進むばかりで、かといって強引に進めれば元からいた人が住めなくなるなど、もっと大変な状況が生じてきます。面的な再開発手法は、無機的な空間を生むだけで、既存都市との乖離を生むだけで、どこもかしこも臨海部のようになる事が良いこととは思えません。
    ざっくり説明すれば、以上のようなことです。いかがなものでしょうか。できればこの件、引き続き意見交換していきたいと思っております。(いさな)

    http://www.kihonho.jp/bflc/bflc__123.cgi?page=40

    (参考)「空間連続体」の文節に・・・http://www.next-city.com/main/modules/d3forum/index.php?topic_id=14

    香山壽夫は著書の中で、古い都市の道は皆狭く、それを何かの機会あるごとに拡げてきたのは日本だけである。街区のすみずみまで、根こそぎ改める「区画整理」は未だに日本の都市再開発の基本だが、既存の都市は尊重されず、根本的に造り直す政策が、今日の日本の都市の目をそむけるような無残な姿であると言う。

    人はなぜ建てるのか (単行本)
    http://www.next-city.com/main/modules/amaxoop2/article.php?lid=37

    道路が車の安全と渋滞の解消を求めていく中で、道は拡幅を重ねられ、ガードレールはところかまわず立てられ、歩く楽しみはなくなり、喜び遊ぶ子供の姿は消えていった。そして災害に強いまちづくりというスローガンは、木造密集住宅地の排除を叫びつつ、地域共同体、楽しい小道を抹殺していったのである。ヨーロッパの都市のように、細い道を安全、快適にする努力は、その過程で一切封じられてきたとも言っている。

    道路特定財源なんかを活用できないのだろうか。
    そもそもこの国は、末端の行政にきちんとした財政基盤を与えていない。都と区の関係にしても、未だ戦時体制の体質を引きずっている。一方、自治権拡大ということで、費用負担は拡大している。現在都内の活動に関する税金は、わずか9パーセントにも満たないほどが区に当てられている。ヨーロッパでは、2~3割が市町村に当てられることからすると、区がヨーロッパ並みのコミュニティー単位の街づくりを行うにはあまりに低い財政実態であると言える。特に2項道路をたくさん抱える特別区の自治体では、他の行政サ-ビスも長年にわたり削ってきたわけである。

    23区政民主化のための入門都区財政調整制度―特別区「構造改革」と対抗するために
    http://www.next-city.com/main/modules/amaxoop2/article.php?lid=143

    浅間町を含む第3地域の会合 他 について
    http://www.next-city.com/main/modules/d3forum/index.php?post_id=131

    #105
    next-city
    キーマスター

    Re: 神楽坂風情の危機 地元住民「特例措置を」>>>>>神楽坂/かくれんぼ横丁・東池袋/人生横丁
    OZmagazineの09.03[2007NO.417(第2特集)]
    神楽坂さんぽより一部ご紹介させていただきます。
    24時間都市知るには、
    入っていかなければわかりません。
    http://www.next-city.com/main/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=33

    花街の風情に包まれて粋な夜を過ごす

    江戸時代から続く花町の面影を残す路地が多いのが、神楽坂の魅力のひとつ。夜になると、芸者新道にある置屋から、かくれんぼ横丁や小栗横丁など、石畳の道に沿って軒を並べる料亭に出向く芸者さんの姿見かけることも。・・・

    新旧が混在する神楽坂。特に昼と夜では印象が一変。・・・

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